「天國」の「お昼天丼」(平日限定)1,100円。みそ汁・香の物付き。海老、きす、いかのかき揚という天ぷらの3大定番を盛り込んである。銀座で愛され続けてきた老舗の味を、たっぷり堪能できるボリューム満点の天丼だ。17:00までいただける。
かつて江戸と呼ばれていた東京を象徴する食べ物はいくつかあるが、その中でも天ぷらは代表的な存在だ。銀座で創業して120年を誇る「天國」は、その天ぷらの歴史は、銀座の歴史と言い切る老舗。その味を愛して、親子代々通う顧客も多い。
その老舗で、平日のお昼限定でお値打ちの天丼がいただけるというのは、意外と知られていない事実。海老2尾・きす1尾・いかのかき揚1個が乗って1,100円の「お昼天丼」(みそ汁、香の物付き)だ。天丼は「天國」のランチタイムの人気メニューで、レギュラーの天丼(「お昼天丼」とは内容が異なる)は、1,575円~の価格設定。たかが400円、と思うかもしれない。だが、メニューには200円のランチビールなどもあり、通常の天丼なら手が出ないところが、「お昼天丼」ならちょっと贅沢して頼んでもまだ余裕がある。この差は大きい! 丼からはみ出んばかりにのっている天ぷらは、汁の匂いも混じり香ばしく、アツアツ。海老の尾の部分には衣を付けずに揚げているので、カリカリだ。ここではしっぽまで残さずいただいて、カルシウムも補給。こちらの天丼の汁は、醤油ベースの濃い口。きすやかき揚も、さすが老舗の安定した味で、ぶれがない。汁の滲みたご飯と交互に口に運んでいると、江戸っ子の仲間入りをしたような気分になってくる。
老舗で食事をすることの付加価値として、サービスの高さがあるが、「天國」も例にもれない。正しく美しい日本語のサービス(〇〇の方、なんて言われない)、お茶を取り換えてくれるタイミング(このお茶がまた天丼の食後に最高)…。午後の光が差す店内では、家族ぐるみで通っていると思われる客と、馴染みの店員による近況報告や昔話がさりげなく聞こえてくる。でも、一見の客がそのことで肩身の狭い思いをするような雰囲気ではまるでない。馬鹿丁寧でも媚びでもない、絶妙な距離感に、入れ替わりの激しい銀座で100年以上も続いてきた老舗の矜持を感じる。手頃な価格でこの雰囲気まで味わえるのが、名店で食事をする喜び。そして、その価格で勝負できるのが名店の自信でもある。”大人の銀座”は、こんなところにもあった。(2009年4月27日)
ジャンル
和食 |
価格
1,100円~ |
ランチタイム(平日)
11:30~17:00(お昼天丼のみ) |
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